「リニア・市民ネット」を結成






 リニア中央新幹線計画問題について考える市民グループ「リニア・市民ネット」が3月8日、甲府市で結成された。
 リニアは沿線各県が駅をどこに設けるか、ルートをどうするかといった誘致運動のみが盛んに行われてきたが、その必要性、財政問題、自然環境の破壊、電磁波、と多大な問題があることはほとんど語られてこなかった。
 このまま計画が進行すると、過去の多くの公共事業の失敗を繰り返すことが考えられ、その実態を明らかにするために「リニア・市民ネット」ができた。
 東京、長野、山梨の3県から10人が参加して、代表、連絡先、会の方針等について話し合い、名称を「リニア・市民ネット」とすることとした。各都県の連絡担当者を決め、地域ごとに活動を広げてこととし、沿線各県にも呼びかけていくことにした。


「電力量は原発5基分!」  伊藤洋・山梨大学名誉教授



 この日より1ヶ月前の2月7日には山梨県甲州市塩山でリニア問題の学習会が開かれ、山梨大学名誉教授の伊藤洋さんが講演した。教授は新幹線と比較してその経済性、建設コストからみた採算性などの問題を訴えた。特にエネルギーについては電力量を仮に計算すると原発5基分に相当することや、5兆1000億円という建設費が実際にはその3倍以上になるであろうことなどが明らかにされた。

▼必要性
 リニア中央新幹線は東海道新幹線の代替機能で、3大都市圏1時間というスピードアップも言われているが、すでに乗客数は頭打ちであり、需要は減っている。長野県が誘致したいようだが、今ここが、旅で最も人気のあるところとなっているのはなぜかといえば、行くのに時間がかかるから、なのである。したがってリニアですぐに到着することになれば旅先としての人気は当然落ち、観光客も減ることになるだろう。

▼経済性
 建設コストは5兆1000億円となっているが、これまでの公共事業は当初見積もり予算の平均3倍を要している。東京―名古屋間1時間40分を50分に短縮しても、新幹線に乗り換える客はいない。大深度地下で品川または新横浜につないでも東京駅までにまた乗り換える必要がある。その所用時間を含めるとそれほどスピード感がなくなる。料金を高くすると飛行機の客も奪えない。これで採算がとれることはないだろう。

▼所要電力量
 JR東海のリニアがどれほど電力を使用するかは未発表のため明らかでない。そこで、ドイツのトランスラピッドの1両当たり10MW/50人、を基礎に試算した。座席数、走行本数が新幹線と同じとして総電力容量は544万KWとなり、これは原発5基に相当する電力。
 ガイドウエイに膨大な建設費がかかるが、地震などの際、修理するのも大変だし、点検して運転再開にも時間がかかる。こだま型の車両が停車する駅があると、この巨大なガイドウエイをポイント切り替えしなければならない。新幹線なら数秒で済むこの切り替えが、30秒かかる。直線で数キロメートルの長さ(重さ340トン)のものを動かす必要がある。

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 リニア・市民ネットは、結成を期に甲府市で5月23日、橋山禮次郎明星大学教授の講演会を開催する。


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