放射能を出さないエネルギーへ

〜 エネルギー政策の転換を 〜

日本消費者連盟 富山洋子



 今、私たち、日本のエネルギー政策の転換を求める団体・個人は、2009年10月3日を中心に「10.3 NO NUKES FESTA(ノー・ニュークス・フェスタ) 2009〜放射能を出さないエネルギーへ〜」を掲げた大結集を計画、実行委員会による準備を着々と進めています。

 原子力発電は、燃料のウランの採掘から高レベル放射性廃棄物(死の灰)の処分に至るまで、どの過程においても放射能汚染をもたらし、いのちや環境を脅かし、死の灰を未来の子どもたちに押しつけます。その上に膨大なコストもかかります。
私たちは、世界のどこにも原子力発電所を始めとする核施設を建ててはならないと主張しますが、とりわけ地震列島日本には、決してそれらを建てさせてはなりません。

 しかし、現在日本では53基の原発が稼働しています。加えて、政府は、CO2排出を削減し地球温暖化を防止する等の謳い文句で原子力発電を推進していますが、電力需要に合わせた調整が効かない原子力発電は、結局火力発電に頼りCO2の削減には繋がりません。また、発電する過程ではCO2を排出しないかもしれませんが、発電に至るまでの過程でCO2を排出し、必ず放射能を出します。放射能は生き物と共存できません。

 更に、使用済み核燃料の再処理工場は、原発1年分の放射能を1日で放出、プルサーマルや高速炉の稼働は、原子力発電の危険性を一層増幅させます。六ヶ所再処理工場は、アクティブ試験において、その中核となるガラス固化で行き詰まり、もんじゅの運転再開は目途がたっていません。プルサーマルにおける使用済み燃料の処理方法についても何の手段も開発されていません。これらの現状は、「核燃料サイクル」路線の破綻を明らかにしています。

 にも関わらず日本政府は、2006年8月に閣議決定した「原子力立国計画」に固執、事もあろうに、核燃料サイクルの達成、高速増殖炉サイクルの早期実現をめざし、六ヶ所再処理工場、六ヶ所MOX(プルトニウム・ウラン混合)燃料加工、中間貯蔵施設、もんじゅ、高レベル放射性廃棄物最終処分施設を組み込んだ計画を推進しています。

 一方、アメリカのオバマ政権は、最近、核不拡散の観点から使用済み核燃料の再処理路線からの撤退を表明、原子力より自然エネルギーの活用とそれによる雇用創出を図ろうとしています。

 実行委員会では、10月3日には、明治公園で、全国の原発・原子力施設の建設現地から、そして電力消費地から「原発はいらない」との声を上げ、「エネルギー政策の転換」を求める大きなうねりを巻き起こし、この集会以降に動き出すプルサーマル計画や六ヶ所再処理工場の本格稼働、高速炉もんじゅの運転再開などを阻止する運動に弾みをつけることを期しています。

 10月3日には明治公園で、エネルギー政策の転換に向けてのアピール、原発・原子力施設建設現地の人々との交流や展示、音楽や踊りやトーク、パレードなどを繰り広げます。展示や販売のブース出店の段取りも進んでいます。
 10月2日には、総評会館大会議室における分科会として「核燃料サイクル−現地の抱える問題」、「原発現地から」、「原発茶会─私たちにできること」が開かれます。
 10月4日には、関連自主企画として「みんなで智恵を出し合う討論会〜放射能を出さないエネルギーへ}等の開催が計画されています。
 団体、個人を問わず、奮ってご賛同下さいますよう、何卒よろしくお願い致します。
(2009年9月)







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