TPPはいらない

〜ある集会から〜

田原廣美




 2012年11月20日、私が経済産業省前のテント小屋に着いたのは午後6時半ごろだった。すでに100人余りが集まって、集会が開かれようとしていた。

 司会者がこう切り出した。
     「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)にも原発くらいたくさん来てくれるといいんですけどね。でも、みなさんよく集まってくれました」
 最初に北海道議員連盟の方があいさつした。
     「福島の人々を助けずに、何が美しい日本ですか! TPPに参加したら、孫子の代まで顔向けできなくなる」
 いろいろな団体や若者からさまざまな意見が飛び出した。
     「TPPは農業の問題だけではない。医療や健康保険や食の安全など、さまざまな分野で国民の生活に悪影響がでる。TPPでもうかるのは一部の大企業と投資家だけだ」(生協)

     「息子と農業をやっている。農業は命の源をつくっている。それなのに、今の政府はアメリカの圧力でTPPに参加して日本の農業をつぶそうとしている。絶対に許せない」(北海道農民連盟)

     「日本が築いてきた安全性や公共性を壊すのがTPPだ。TPPの自由貿易は強者の論理でありフェアではない」(市民グループの白川さん)

     「どんな政治をつくっていくのかが大切だ。大企業の利益だけのグローバリズムはいけない」(全日本民医連の伴さん)

     「非公式だが、自民党は経団連に選挙資金として100億円借りたという情報がある。どの党がTPP推進なのか見極める必要がある」(『世界超恐慌の正体』の著者・安部芳硲さん)

     「ボリビアでは、水道事業を買収し不当な水道料金を要求した米国ベクレル社を、民衆が立ち上がって追い出した」(『サルでもわかるTPP』の著者・安田美絵さん)
 野田首相の仮面をかぶって辛辣(しんらつ)な批判をしたり、「TPPはいらない!」と路上ダンスをしたり、エイサーを踊ったりして抗議する若者たちもいた。
 自ら学び行動する人が確実に増えていることを実感した。

(2013年1月)








「TPPはいらない!」と訴える若者たち







★関連ページ

このページの頭に戻ります
前ページに戻ります

[トップページ]  [全国自然保護連合とは]  [加盟団体一覧]  [報告・主張]  [全国交流会] [決議・意見書]  [出版物]  [自然通信]