すこやかないのちを未来につなぐために

〜日本消費者連盟が第43回定期総会〜







 日本消費者連盟(日消連)は、生命の安全と健康を活動方針の第一に掲げ、原発、遺伝子組み換え食品、合成洗剤、情報公開などさまざまな問題で活発に運動をくりひろげてきました。脱原発運動は何十年も前からつづけています。また、情報公開法を求める運動を日本ではじめて打ちだし、立法化させました。日消連は企業や行政機関からの資金援助をいっさい受けず、個人会員によって支えられています。
 その日消連が2016年6月18日、東京都内で第43回定期総会を開きました。


猛烈な勢いで歴史の歯車が逆回転

 諸議案を説明した大野和興共同代表はこう述べました。
 「日本はいま、猛烈な勢いで歴史の歯車が逆回転している。また、逆回転に抵抗する運動の衰退がつづいている。とくに労働運動は惨状きわまりない。そういうなかで、新しい波もでている。昨年は戦争法案(安保法制)に反対する運動が盛りあがった。そこに若い人たちや若いお母さんたちが多く参加した。しかし、それがいったいどういうふうに結実するか、というのは先がみえない。日消連も、歴史の逆回転に抵抗しながら、新しい消費者運動や新しい社会構造をつくりだしていくことを考えていかなければならない」

5部会の活動が軌道に乗った

 2015年度の活動報告ではこんなとりくみが話されました。5つの部会(憲法、反原発、洗剤、食の安全、反グローバル)の活動が軌道に乗ったこと。洗剤部会と食の安全部会が定期的に会合を開き、企業への要請やアンケート調査など、会員とともに活発な活動をすすめたこと。脱原発・エネルギーでは、「再処理とめたい!首都圏市民の集い」として毎月第4水曜日の経済産業省前行動や月1回の定例デモなどをくりひろげたり、さようなら原発1000万人アクションに引き続き事務局団体として参加したりしたこと。食の安全・遺伝子組み換えでは、TPPをにらんで秋にはじめた遺伝子組み換え(GM)食品表示の改正を求める署名運動が全国に広がり、13万筆を超える署名を集めたこと──などです。


暮らしの現場から憲法擁護・消費者運動を

 2016年度活動方針ではつぎのようなことが提起されました。
     「安倍政権による憲法改正の動きが一段と強まっています。日消連創立以来の理念『すこやかないのちを未来につなぐ』ために、民主主義、立憲主義、平和主義をふみにじる現政権には自立した主権者として明確に反対の意をとなえる必要があります。2016年度は憲法を守る運動によりいっそう力が注ぎこまれ、また暮らしの現場から消費者運動を盛りあげるため、地域グループの形成をよびかけます。さらに調査・研究体制を強化することで、目消連らしい告発型消費者運動を展開します」
 質疑討論では出席者からこんな発言もありました。
     「日消連は全国的な組織である。そういう組織を活かして全国的な運動をすすめていくことが必要だと思う。たとえば講演会などのイベントを東京だけでなく地方でも開くなどの工夫をしてほしい」
     「行政や財界による市民団体の取り込みがはげしい勢いで進んでいる。取り込みの手段は資金援助だ。その結果、行政や財界から多額のカネをもらう市民団体が幅をきかすようになっている。そのような団体は原発問題にはかかわらない。行政の施策には反対しない。『消費者リポート』ではこういう問題もとりあげてほしい」
 行政・財界による市民団体の取り込みについては、天笠啓祐さんがこう答えました。
     「消費者運動も同じ現実がみられる。大企業から財政支援を受けた消費者団体が増えている。私たちからみれば消費者団体とは思えないような団体が増えている。消費者団体を名乗っているが、行政機関の審議会に加わっていろいろと発言する。結局は、消費者の利益ではなく、資本や国が意図する生産の利益を守るような動きになってしまう。こういう動きはあらゆる分野でみられる。この問題は消費者運動ともかかわるので、ぜひとりくんでいきたい」
 天笠さんは、総会後に開かれた運営委員会で新たに共同代表として選出されました。





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