■「自然と環境を守る全国交流会」参加団体


銚子市民運動ネットワーク









■これまでの歩み

 銚子市民運動ネットワーク(以下、本会)は、「公害から銚子を守る市民の会」を1990年に継承し、活動している。  銚子市では1970年、全市民的運動により東電火力誘致計画を白紙撤回させた。「市民の会」はその運動の中心となった。
「市民の会」は、いのちと環境を守る地域・まちづくり運動を通じ、大量生産・消費で電力・資源・環境を浪費する社会構造からの転換を展望していた。それはのちの「地球規模で考え地域で行動する」理念と姿勢に通底するものであった。  本会はその後の大衆化・情報化など社会の変容に対し、課題ごと機動的に対応できるソフトな組織・活動形態をとり、また情報発信を中心とした現在のスタイルをとりつつ、初心を貫く活動を続けている。(機関紙:市民のちから・月刊&上記HP掲載)


■最近の主な活動

○3・11地震・津波災害、原発とその事故による放射能汚染は、それらが最大の環境問題でもあることを示した。津波災害については『津波とたたかった人』の出版等で早くから警告。震災後も全国と地域での、地についた提言活動を続けている。
 それより先の2008年、銚子市は「突然死的」に市立総合病院を閉鎖した。市民のいのちと健康の基盤は自然・生活環境であるが、医療はより直接的な条件である。不安と怒りで立ち上がった市民は、公的医療を守る運動を発展させ、市長リコールを成功させた。病院再生を掲げた現市政に対し、市民有志は「住民本位の地域医療をつくる」活動を継続、本会もその一翼を担ってきた。
 放射能汚染は本市でも、市民のいのちと健康・環境を脅かしている。本会を含む有志は汚染の実態を分析し(図)、その情報の提供と行政への提言活動とともに、「原発から自然エネルギーへ! 銚子市民の集い」などの行動で、全国との連帯をめざしている。火力反対から半世紀近く、当時から指向した持続可能な社会への転換が、現実の課題となったのである。

○水問題が地域環境再生のカギ
 銚子は三方が水面に囲まれ、多くの利根支流が水のネットを形づくっている。生命線の水道水源もそれらに依存しているが、その汚染や破壊が深刻化した。
 ゴルフ場・山砂採取や産廃処分場・全国・県内トップの不法投棄等に、裁判を含む阻止・保全と再生活動で悪戦苦闘してきた。水と水辺環境は、この地域の人と里山など生態系を活かす自然の血管系である。それらの問題を、総合的視点での調査とデータ分析により整理した報告書『銚子の水辺環境・現状と課題』を計4集発行し、行政や関係方面に提言してきた。しかし反応は芳しくない。

○国定公園海岸の自然破壊
 行政の不作為等が絡む乱開発が止まない。03年以来、屏風ヶ浦海岸に風力発電施設が急増し、付近の住民生活と景観を阻害するとして、節度あるルールづくり・景観保全条例制定等を求めたが、行政対応の遅れで乱立が進んでしまった。  犬吠埼と海の借景庭園跡を専門家も評価した、旧伏見宮・瑞鶴荘跡地への温泉スパ計画は、景観アセス等の不備と県・市の消極的姿勢により有志の保全対案は無視され、08年に許可された。
 犬吠埼北の海鹿島丸山は、県指定の植生があり、華山や夢二も描いた文化財でもあるが、個人住宅の建設を10年に行政が黙認・許可して、市民の批判も後の祭りとなった。

 以上のように、さまざまな自然変動や乱開発に対する、法規制等の遅れや行政の不作為等が最大の壁といわざるを得ない。協力は厭わないが、厳しい批判と対応が不可欠であろう。
(2011年9月)








銚子のホットスポット図(銚子の地域医療をつくる会作図)。
市が6月に4回測定した放射線量データによる。34学校施設ごと、
0.19マイクロシーベルト/時(年1ミリ)超を●1つとした。



銚子の水辺環境報告書 No.4



失われた瑞鶴荘借景庭園跡の復元図(鈴木原図に加筆)



海鹿島丸山を崩した住宅(国定公園特別地域内)






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