■「自然と環境を守る全国交流会」参加団体


日本湿地ネットワーク(JAWAN)









●沿革と活動

 1975年、全国の干潟保護団体が集まり全国干潟シンポジウムが汐川(愛知県)にて開催され、各地の保護運動が連帯する必要性と干潟の鳥類について全国調査を推進することが確認された。全国シンポジウムはその後、1976年に千葉、1977年に諫早(長崎県)にて開催された。1989年、名古屋で開催された「国際湿地シンポジウム」において、ラムサール条約の重要性を認識して、草の根ネットワークづくりが提起され、1991年の同シンポジウムで日本湿地ネットワーク(JAWAN)が結成された。
 藤前干潟の保全にはJAWANなどのNGOの力が大いに貢献した。また、毎年のように開催してきた「国際湿地シンポジウム」は開催地の湿地を全国的に注目させるという効果があった。
 現在まで、ラムサール条約締約国会議COP5(釧路会議)からCOP10まで毎回オブザーバーとして団体参加し、決議やガイドラインの広報活動や湿地の調査活動などを通じて各地の湿地保全運動に貢献してきた。
 第5回会議では辻代表が日本各地の湿地の現状について報告、第7回会議では藤前干潟の保全決定を報告し、閉会式では世界の地域NGOを代表して当ネットワーク代表が挨拶をした。第8回会議では湿地再生の原則と指針に関してプレ会議で日本の事例を報告し、決議案作成に貢献した。2007年2月には日韓NGO湿地フォーラムを東京で開催し、第10回会議(2008年韓国)に向けて湿地保全のための日本と韓国の共同行動を実現した。2008年10月の第10回韓国昌原会議に参加した。


●現在の主なとりくみ

 湿地の保全・賢明な利用を促進するため湿地の持つ価値などを誰でも理解できるように、あらゆる機会を利用して広めていく活動を重視している。
 JAWANは、2026年のラムサール条約COP16までに100ヶ所の登録湿地を目指すという中期目標を提唱している。  広報活動として2007年、湿地の保全・賢明な利用に役立てるため環境省の協力を得て「湿地の管理」を翻訳発行した。2008年、ラムサール条約マニュアル第4版「ラムサール条約入門」を翻訳発行した。また、長崎県諫早湾が閉め切られた4月14日を「干潟・湿地を守る日」とする全国キャンペーンを毎年春に実施している。「干潟・湿地を守る日」キャンペーンは1999年より始まり、各地の団体が観察会や学習会などに参加して2011年で13回目となった。
 2009年より諫早湾、藤前干潟、盤州干潟において毎年「湿地シンポジウム」を開催し、各地の保護団体と協力して保全活動をおこなってきた。
 湿地は、どんな湿地であっても単独で存在することはできない。水環境を通して流域の中の湿地のネットワークとして存在している。また、渡り鳥の渡来地としての湿地の確保もとても重要である。ラムサール条約登録湿地のみを保全するのではなく、登録湿地をネットワークの核として位置づけ、湿地ネットワーク全体が維持できるように保全していく必要があると考えている。
(2011年9月)




2008年ラムサール条約締約国会議(COP10、韓国)に参加



2011年湿地シンポジウム(盤州干潟)を開催






このページの頭に戻ります
前ページに戻ります

[トップページ]  [報告・主張] [動き] [決議・意見書] [全国交流会] [自然通信] [出版物]