健康な海をとりもどすために

〜播磨灘を守る会が40周年記念シンポ〜







 「播磨灘を守る会」は(2011年)9月24、25日、創立40周年記念シンポジウムを兵庫県たつの市御津町の国民宿舎「新舞子荘」で開きました。60余人が参加です。
 シンポジウムのテーマは「里海のかたちと磯浜復元」です。大規模な埋め立てや海砂採取などがおこわれた瀬戸内海は危機に瀕(ひん)しています。「貧酸素水塊」がひんぱんに出現し、魚介類が激減しているのです。
 そういう中で、「守る会」は60年前の健康な海をとりもどすためにさまざまなとりくみをつづけています。その一つとして、新舞子干潟の近くにある遊休埋め立て地を削り、渚や干潟、磯浜を復元することを求めています。そのため、今回のテーマは「里海のかたちと磯浜復元」となりました。
 1日目の24日は、青木敬介代表が「海が抱える多くの問題解決に向け、実のある討論を」とあいさつ。つづいて、柳哲雄九州大教授(沿岸海洋学)が講演しました。柳教授は、「人手を加えることで、生物生産性と生物多様性を高くできる」とする「里海論」の提唱者です。干潟や藻場の再生が漁獲回復に結びついたケースをあげ、持続可能な漁業の重要性を説きました。また、「里海論」についてこんな批判をだされていることも紹介しました。「里山では人手をかけることで生物多様性が高くなる。しかし沿岸海域では、人間が下手に手をつけると生物多様性が低くなる」「自然は人間の思いどおりにはならない」。
 2日目はパネルディスカッションです。柳哲雄氏、讃岐田訓氏(京都学園大学)、ハービィ・シャピロ氏(大阪芸術大学)、湯浅一郎氏(環瀬戸内海会議顧問)の4人がパネリストとなり、環境改善策などについて参加者と意見を交わしました。




「播磨灘を守る会」の創立40周年記念シンポジウム



パネリストのみなさん



青木敬介代表







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