埼玉県の八ッ場ダム担当課と意見交換

〜八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会〜







埼玉県知事に手紙を提出

 八ッ場ダム事業への負担金支出差し止めなどを求める1都5県の住民訴訟は3月に東京都分が東京高裁で敗訴し、情勢は厳しさを増しています。
 八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会は(2013年)4月26日、知事室を訪れて知事に手紙を提出しました。工期の遅れや工事費の増額が見込まれる八ッ場ダム建設に対して改めて6つの視点から問題提起し、国の計画変更を県が安易に認めないことや、知事または担当部局との意見交換の場を設けることなどを要望しました。


担当課と意見交換

 それを受けて5月29日、県の土地水政策課5名と埼玉の会6名が出席して意見交換しました。
 県側は、工期遅延や事業費増額については国から正式な通知が来ていない、知事は以前に「特別な事情がない限り延期は認められない」と発言している、コストの縮減を要望している──と述べました。
 地すべりの危険性や埋蔵文化財については「国と群馬県の問題である」とし、埼玉県に特徴的な「暫定水利権」についても、根本的に解決の道をさぐるというのでなく、国に言われたからしょうがない、というような発言でした。なお、「暫定水利権」というのは、国がダム建設に地方を巻き込む便利な道具で、実体としては何の意味のない「暫定」のために地方の金を吸い上げようというものです。
 八ッ場ダムが洪水対策として役立つかどうかについては相変らず平行線でしたが、内水氾濫対策と堤防強化は喫緊の課題であることを指摘しました。
 およそ1時間半の話し合いでした。やはり双方のスタンスが違いすぎ、新たな進展は望めませんでした。しかし、県はこれまで「裁判中だから」と接触を拒否してきました。それを考えると、話し合いに応じただけでも少しはよいのかな、とも思います。
(八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 大西将之)





埼玉県知事への手紙より

  • 八ッ場ダムの完成時期は当初予定の2000年から3回も延長され、現状では2021年以降にずれ込む見通しです。埼玉県の参加条件である2010年完成からは10年以上遅れます。
  • 人口はすでにピークを過ぎ、ダム寿命の2分の1である50年後の埼玉県人口は420〜450万人に激減します。完全な水余り時代です。
  • 八ッ場ダム事業費は当初計画の2110億円が4600億円に激増しています。さらに、国交省の試算でも183億円、私たちの試算では数百億円の増額が不可避です。
  • ダム本体の建設を中止すれば、100億円単位での節約・返金が可能です。





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