「超不当判決」に怒り

〜八ッ場ダム千葉訴訟 二審も敗訴〜







 八ッ場ダム事業への支出差し止めを求めた1都5県の住民訴訟のうち、千葉県民48人が起こした裁判の控訴審(二審)判決が10月30日、東京高裁でありました。

 判決の内容は、原告(県民)の訴えを退けるものです。
 千葉県は水が余っています。新たな水源開発は必要ありません。しかし判決は、
     「災害時及び事故等の非常時においても、住民の生活に著しい支障を及ぼすことのないよう、給水の量的安定性の確保が求められている」
     「余裕を見込み、これに見合った水利権を確保しておくことが、その性質上、当然に要請される」
 としました。

 また治水については、国交省関東地方整備局事業評価監視委員会の判断などを採用し、「(八ッ場ダムは)千葉県における洪水による被害の防止に有効」としています。

 原告団と弁護団は、判決後の報告集会で「超不当判決だ」などと怒りをあらわにしました。

 原告からは、
     「水がどんなに余ってもダムはいくつでもつくっていい、と受けとめられる内容だ」
     「行政の言い分は全部正しいとするもので、理不尽きわまりない」
 などの声があがりました。

 記者会見では、「司法の役割を放棄した不当な内容」とし、高裁判決に対する抗議声明を発表しました。

 原告代理人の中丸素明弁護士はこう話しました。
     「東京での控訴審後、計画のずさんさを示す新しい資料を証拠に出したが、結局はまともな事実認定をしない判決となった。こちら側が示したデータはすべて信用できないと判断し、国や県の主張を都合の良いところだけ使っている。残念で、怒りに震えている。上告手続きを速やかに行う」
 1都5県の住民が提訴した八ッ場ダム関連訴訟の控訴審判決は、2013年3月の東京都民の訴訟(住民側の敗訴)に続いて2件目です。










判決後、「不当判決」の垂れ幕を掲げてシュプレヒコールする原告団



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